山鹿市農産物ガイド

山鹿市農産物ガイド


収穫時期 9月下旬~10月下旬

日々の品質向上の努力で「最高評価」に

山鹿市は阿蘇に源を発する一級河川菊池川の中流域に位置し、古くから肥沃な土壌による穀倉地帯が形成されてきた。流域に残る多くの「装飾古墳群」や1300年前の古代山城「鞠智城跡」などからも、長い年月にわたり人々の営みがあったことが分かる。古代米にはじまり、江戸時代には菊池川の水運を利用して大阪・堂島へ運ばれた米は「肥後米」の名で全国の米相場をリードしていた。

今でも山鹿市は県内有数の米の産地。品種改良や栽培方法などに工夫を重ね、安全安心そしておいしさを追求し続けてきた。中でも「森のくまさん」は、日本穀物検定協会の米の食味ランキングで最高評価の特Aを5年連続(平成22~26年産)獲得するほど。気候の変化の影響を大きく受ける稲作にありながら、高い品質を保ち続ける努力にこそ、山鹿の米のおいしさの秘訣がある。また、米を生産するだけでなく、農業体験や収穫祭などを通して、主に都市部の消費者との距離を縮め、ファンになってもらう取り組みも行われている。子どもたちにおいしさだけでなく米づくりの大変さ、難しさ、そこから得られる喜びを知ってもらい、日本の農業を守り、未来へと受け継ぐことの必要性を伝えている。景観保全もその一つで、菊鹿町にある日本棚田百選「番所の棚田」は、9月20日頃になると真っ赤な彼岸花と黄金色の稲穂との色合いが見事な景観を生み出す。そこに多くの観光客が訪れ、自然に触れ、そして地元の人たちとの触れ合いに癒されるのである。


田植え、草刈り、収穫と、毎回多くの家族連れの参加がある農業体験。不慣れな作業ながらも、笑顔いっぱいの子どもた。

「番所の棚田」は、観光ツアーとしても人気のスポット。地元では平成20年に発足した番所棚田保全協議会が都市部からの受け入れに対応している。

菊鹿町にある古代山城「鞠智城跡」の目の前には、9月になると古代米が赤く色付き、幻想的な光景が見られる。

山鹿市のブランド米

山鹿市では、消費者のニーズに合わせ、より品質の高いさまざまな米作りが行われている。主に菊鹿町で生産されている「合鴨米」は、水田で合鴨を飼うことにより害虫駆除を行い、無農薬で育てられた米。
菜の花米」は、菜の花が育った良質の土で育てられた米で、春の景観の美しさも人気。
棚田米」は、景観の保全と共に大切に育てられている米で、流通量が少ない。その他にも、れんげが育った良質な土壌で作られた「れんげ米」などがある。
また、農家の高齢化に伴い、地域で協力し合い、品質の高い米づくりを目指すために、農事組合法人を設立した鹿本町庄地区。ここでは、「庄の夢」という名称で、化石サンゴとクリムソンクローバーの緑肥を使い、土づくりにこだわった農法で、特A評価を受けた米を生産している。

米粉を使った加工品

八十八パン

山鹿市では、米の普及を促進するために、米粉を使ったパンや麺類などの加工品も多く作られている。

米の生産量

平成28年度 農林水産関係市町村別統計(農林水産省より) 熊本県合計178,100トン